秋冬の絢爛豪華の面影をヘアアクセやイヤリングに残しつつ、 色味は春夏らしく柔らかいベージュから始まる。
全面に大きく転写された古代ギリシャ建築遺跡、小花が立体的に散りばめられた美しいワンピース、
一見チャンピオンベルトの様な大きなバックルはゴールドのコインを模している。
その全てはテーマに直結する。
『古代シチリア、歴史と神話の融合への空想の旅』。
その土地はデザイナードメニコ・ドルチェの故郷であり、インスピレーションの源だ。
“現代社会のしがらみ”に対し“古代”を空想の世界とし引き合いに出す事で、
『自由に解き放たれた空想の中でこそ最高の美は作られる』と表現した。
モチーフの桜のような花は、まさに“日本の春の象徴”であるのと同様に “シチリアの春の象徴”である『アーモンドの花」だ。
ランウェイにも数本のアーモンドの木がそびえていた。
そしてもう一つのモチーフ“コイン”は、プリントに、大振りなネックレスに、デコラティブな イヤリングや、シューズにまで
サイズも多種多様に、印象的に使われていた。
ショーは白やベージュのエレガントなセピア色から黒へ。
レース下から陶器の様に白い肌が覗きセクシーに、 そして黄やゴールドは秋冬のものよりもライトで、フレアスカートやベルスリーブの裾が揺れ、
ファーが軽やかに揺れ、軽快な印象だ。
濃いレッドはパテントレザーやサテン等艶のあるものでグッと情熱的に。
フィナーレはミニ丈のドレスでゴージャスに、とDOLCE&GABBANAの要素の詰まったものとなった。